TCFD提言に沿った情報開示

新光電気グループでは、気候変動に関わる金融市場の不安定化リスク低減を目的として、金融安定理事会(FSB)によ り 設 立 さ れ た 気 候 関 連 財 務 情 報 開 示 タ ス ク フ ォ ー ス(TCFD : Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が2017年に公表した提言に対応し、提言に沿った開示に努めるとともに、新光電気として、2022年5月にTCFD提言への賛同を表明しました。
新光電気グループは、投資家をはじめとする様々なステークホルダーに対し気候変動に関する積極的な情報開示に取り組んでまいります。

TCFD_logo_blue.png

ガバナンス

環境経営推進体制として、代表取締役社長を委員長とした環境委員会を設置し、環境方針や具体的な環境目標、環境マネジメントシステム(気候変動による事業リスク・機会の評価や管理を含む)等についての検討、気候変動をはじめとする環境課題への取り組みの共有や進捗管理を行っています。また、それらの結果は、取締役会に報告されます。
さらに、全社レベルのリスクマネジメント体制として、代表取締役社長を委員長としたリスク管理委員会を設置し、グループ全体のリスクマネジメントを推進しています。気候変動を含め事業活動に影響を及ぼすリスクを適切に把握・対応するため、グループ全体のリスク分析と対応を行っています。抽出・分析・評価された重要リスクについて、定期的に取締役会に報告しています。
また、新光電気グループ(国内)は富士通グループとしてISO14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)を構築しており、EMSによる活動結果は、取締役会に報告されます。

戦略

<リスク・機会の重要度評価>
シナリオ分析を始めるにあたって、現在および将来に想定される、当社グループが直面する気候変動リスクと機会を抽出し、事業に与えるインパクトの大きさにより、重要度を評価しています。

TCFD リスク重要度.png
※ クリックで拡大表示

TCFD 機会の重要度.png
※ クリックで拡大表示

<シナリオ群の定義>

新光電気グループは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した第6次評価報告書を元に「2℃以下シナリオ」および「4℃シナリオ」を設定しました。参考にする外部情報は国際エネルギー機関(IEA)のSTEPS(Stated Policies Scenario)やAPS(Announced Pledges Scenario)およびNZE(Net Zero Emissions by 2050 Scenario)などのシナリオの情報を2050年まで考慮しています。
2℃以下シナリオでは炭素税導入等の規制の強化、電力価格や金属等の原材料価格上昇のリスクが想定される一方、市場・顧客における脱炭素化のニーズにマッチする製造設備の高効率化や再生可能エネルギーの創出にともなうコストの安定化などによる低炭素・省エネ製品の売上拡大という機会も期待できます。特に4℃シナリオでは、異常気象による災害激甚化からもたらされる風水害や洪水などの災害発生頻度に加え規模増大による物理的リスクが大きくなることが想定されます。
これらの機会の実現とリスク対応をはかるため、「中長期環境目標」を策定し、脱炭素社会の実現および気候変動への対応に貢献するため、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいます。

スクリーンショット 2023-10-26 092739.jpg

リスク管理

気候変動を含め新光電気グループの事業活動に影響を及ぼすリスクを適切に把握・対応するため、グループ全体のリスクの識別・評価・管理を実施しています。全社共通のリスクアセスメントを定期的に実施するため、ツールを作成し、各部門およびグループ会社のリスク管理責任者に配布、回答を収集します。各部門およびグループ会社は、このツールを用い、リスクの脅威に関し、影響度および発生可能性、対策状況等の項目について、アセスメントを実施し、リスクの脅威を回答します。気候変動関連リスクについては、全社から収集した情報を用い、政策、評判、自然災害、サプライチェーン、製品・サービス等の観点よりアセスメントを実施しています。各部門が回答したアセスメントの結果は、一元的に、影響度および発生可能性の2側面でマトリクス分析され、全社レベルでの優先順位の高いリスクが抽出されます。この結果は取締役会に報告されます。環境委員会では、気候変動による事業リスク・機会や対策を共有し、進捗管理を行っています。また、新光電気グループ(国内)は富士通グループとしてISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築しており、この体制の下で、法令遵守等のリスクのモニタリングを行っています。
なお、気候変動への適応策として、異常気象による台風や水害の激甚化や頻発化を踏まえ、社内における対策の強化をはかっています。具体的には各拠点におけるハザードマップ等を参考とした事前対策に加え、災害の発生が予想される場合の行動基準・行動概要を定めた「台風・水害タイムライン」を各拠点、部門において策定するとともに継続的に訓練を実施することなどにより、被害の最小化に努めています。

指標と目標

新光電気グループは、気候関連のリスク対応において、温室効果ガス実質排出量の削減および再生可能エネルギーの導入が重要であるとの認識のもと、温室効果ガス実質排出量および再生可能エネルギー使用率を指標としています。温室効果ガス実質排出量の削減については、2050年度に実質排出量ゼロのカーボンニュートラル達成を目指すとともに、そこからバックキャストした2030年度目標を設定のうえ、活動を展開しています。再生可能エネルギーの使用率については、2030年度目標に使用率100%を掲げ、取り組みを進めています。
また、年度ごとの目標も設定のうえ、指標のモニタリング、戦略の進捗管理およびリスク管理を実施しています。
※目標の対象は国内における全事業所のScope1とScope2

TCFD 中長期目標.png

TCFD 年度目標・実績.png