資源循環

廃棄物削減 水使用量削減

カテゴリーアイコン_資源循環.png 廃棄物削減

新光電気グループでは、廃棄物も貴重な資源として捉え、そこから資源を回収またはエネルギー源として利用する取り組みを継続しています。
循環型社会形成推進基本法で定められている①発生抑制 ②再使用 ③再生利用 ④熱回収に従って、廃棄物削減や再資源化などを積極的に進めています。

報告範囲:新光電気グループ(国内)

廃棄物の有効利用

新光電気グループ(国内)では循環型社会形成のため、廃棄物を有効利用し、埋立処分や単純焼却(焼却時の排熱や焼却後の残渣物を有効利用しない処理方法)をゼロにするゼロエミッションを2003年度に達成しています。それ以降廃棄物の有効利用率はほぼ100%に近い水準で推移しており、現在もゼロエミッションを維持しています。
(注) 有効利用方法がない廃棄物および有効利用していない自治体処分場への搬入分(事業系一般廃棄物)はゼロエミッションの活動(算定)対象外のため、有効利用率は100%になりません。

【廃棄物+有価物と有効利用率 推移】
廃_有効利用率グラフ2023.png

廃棄物の適正処理

『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』に基づき、産業廃棄物処理業者へ適正な処理委託を行うとともに年1回、委託先について現地確認等により適正処理を確認しています。2023年度に実施した委託先について、不適正処理はありませんでした。また、新光電気グループ(国内)保有のPCB使用機器は、『ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法』に基づき、適正に処理を行っています。

活動実績(2023年度)

2023年度から、事業部門と施設管理部門に分け、それぞれ取り組み対象を明確にし、活動を実施しています。事業部門では主に固形廃棄物の分別徹底による有価物化促進、施設管理部門では生産に伴う廃液の社内処理化による廃棄物削減を行いました。これらにより中長期環境目標の基準年である2020年度の排出量の20.3%相当分 (1,218t)の廃棄物を削減しました。
この結果、中長期環境目標(2030年度)の基準年排出量の50%相当分削減に対し、2021年度からの取り組みの3年度累計で30.4%相当分の廃棄物を削減することができました。

【中長期環境目標 廃棄物削減実績累計】中長期2023_廃改3.png

廃棄物量と原単位※1の推移
廃_廃棄物原単位グラフ2023改.png

※1 売上高あたりの原単位:売上高1億円あたりの廃棄物量

廃棄物削減活動事例

1.分別徹底による廃棄物の有価物化の促進
2.廃液の社内処理化
3.洗浄液・めっき液等の延命化、廃液の再利用
4.再生、リユースの促進
5.含水率低減による重量低減
6.プロセス改善による端材や廃棄品の削減

●廃液の社内処理化による廃棄物削減

社内処理されない工程廃液は、廃棄物として排出されることになりますが、新光電気では、可能な限り工程廃液の社内処理化をはかるため、工程を分析のうえ、対策を検討・実施しています。
社内処理をするには、廃液が低濃度である必要がありますが、今回対策を行った工程では、異なる濃度の廃液が、すべて同じタンクに回収されていたため、回収した廃液の濃度が上がっていました。
そこで、社内処理可能な低濃度の廃液と、高濃度の廃液を配管で分別回収することで、排出される約9割の廃液について社内処理化を実現しました。
これにより、廃棄物を838t(2023年度)削減することができました

廃液の社内処理化による廃棄物削減.png

●プラスチック資源循環法への対応

プラスチックはその有用性から幅広く利用されている素材ですが、一方で海洋プラスチックごみ、気候変動、廃棄物などさまざまな問題の要因としても挙げられています。世界的なこのような状況に対応するため、国内においても2021年6月に『プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律』が制定されました。新光電気はこの法律に定める多量排出事業者として、プラスチックに関する課題解決に貢献するため、第11期環境行動計画に「プラスチック材使用量および廃プラスチックの削減施策推進」を新たに設け、取り組みを開始しました。


【2023年度の活動実績】
廃プラ活動実績.JPG今後もプラスチック材使用量と廃プラスチックの削減に努めてまいります。

●廃プラスチック有価物化のための分別作業

新光電気のグループ会社である新光テクノサーブ株式会社(以下、STS)が廃プラスチック有価物化のための分別作業を担っています。廃プラスチックを有価物化(再資源化)するには、ラベルなどの異物除去や分別のために多くの工数を必要とします。また、工場単位では少量過ぎて有価物にならないような廃プラスチックを各工場から集めてまとまった量とし、有価物化しています。手間のかかる作業となりますが、廃棄物削減とともにプラスチックの再資源化に貢献しています。

廃プララベル除去_改.JPG
STSによるラベル除去作業

●フィルム芯の有価物化

フィルム材使用後に残る芯の部分は、有価回収可能な材質であるものの、芯にフィルムが残ってしまうため、廃棄物になっていました。有価物化には芯とフィルムの分別が必要ですが、フィルムの一部が細かく飛び散るうえに静電気によって周りや作業者に付着してしまうため、手作業での分別は非効率かつ困難でした。
そこでSTSは、芯とフィルムの分別のための装置を、廃材を使用しながら製作しました。この装置により、芯とフィルムの分別が容易となり、以下のとおりの大きな成果を上げることができました。
より効率的に分別ができるよう今後も装置に改良を加えていきます。

【分別による効果(2023年度)】

・廃プラスチック削減およびプラスチック材の原料化: 26 t
・コストダウン: 3,191千円/年

フィルム芯分別_改.JPG
芯とフィルムの分別装置