
世界的に喫緊の課題である生物多様性の損失を止め、回復させることは、事業活動が生物多様性からの恵みを受け、また影響を与えている新光電気にとっても、企業の存続に欠くことのできない重要な課題です。
新光電気グループでは、環境方針に「気候変動対策や資源の有効利用、生物多様性保全により豊かな社会づくりに貢献する」と掲げ、「生物多様性の保全」について中長期環境目標を設定しています。生物多様性の保全活動および事業活動による生態系に対する負の影響の低減を推進することで、ネイチャーポジティブに貢献し、自然共生社会の実現を目指した活動に取り組んでいます。
また、自然共生への取り組みをグループ全体として一層強化するため、中長期環境目標を2026年に見直しました。
新たな中長期環境目標における自然共生に関する目標では、対象範囲を国内事業所から海外生産拠点を含めたグループベースに移行するとともに、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の考え方をふまえた目標とするなどの見直しを実施しています。
なお、以下に記載する目標および実績は、報告対象期間である2025年度までの見直し前の目標および実績を記載しています。見直し後の中長期環境目標については、「中長期環境目標の見直しについて」を参照ください。
生態系に対する負の影響を低減新光電気の持続可能な企業活動には、生物多様性の保全が必要不可欠であることから、「気候変動および資源循環の取り組み推進」「化学物質適正管理」等を通して、当社の事業活動による生態系に対する負の影響の低減を推進しています。
報告範囲:新光電気グループ(国内)
【生態系に対する負の影響に関する主なリスクと機会】
対象:新光電気グループ(国内)
気候変動や資源循環への取り組みは、生物多様性の保全や回復にもつながることから、生態系に対する負の影響を低減する取り組みの一つと位置づけています。以下のリンク先をご覧ください。
化学物質は、人々の生活を便利にする一方、適切に使用・管理されないと人の健康や生態系に大きな影響を与えるおそれがあります。しかしながら、電子部品等の製造に化学物質は必要不可欠です。新光電気グループ(国内)では、人や生態系に対する負の影響を低減するため、化学物質等の管理基準を定め、化学物質を適正に管理・使用しています。あわせて、化学物質の使用量および排出量の削減にも取り組んでいます。
製品の開発や製造で使用する化学物質は、PRTR制度※1に基づき、取り扱い量や環境(大気、水、土壌)への排出量・移動量を管理しています。また、新たな化学物質を使用する際には、リスクアセスメントを実施し、環境への影響などのリスクを特定したうえで適正な使用に努めています。
※1 『特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律』で化学物質を扱う事業者に課せられた、化学物質の排出量・移動量を集計・公表する制度
購入品の含有化学物質情報は、含有禁止物質不使用証明書やchemSHERPA®※2を用いて管理し、お客様からのご要求や、各種法規制に対応できる体制を構築しています。また、当社製品に有害物質を「入れない」対策として、部材系の主要お取引先を対象に製品含有化学物質管理システム(CMS:Chemical in Products Management System)の構築をお願いしています。さらに、その管理状況を確認する監査を定期的に実施し、不十分な点がある場合は、是正の要請と支援を行っています。
※2 原材料の調達から完成品になるまでに関わる事業者全体で、製品に含有する化学物質情報を把握・伝達するためのデータ作成支援ツール
新光電気グループは、事業活動が環境やステークホルダーに与える影響を最小限に抑えることを、ものづくりを行う企業としての重要な責務ととらえています。この責務を果たすため、環境マネジメントシステムの実行を通じて、薬液等の漏洩事故の未然防止や、排気・排水等が及ぼす環境影響の低減に取り組んでいます。
以下のような対策で、徹底した管理を行っています。
化石燃料の中でもCO2排出量がもっとも少なく、燃焼時に発生するばい煙に含まれる環境に有害な物質(ばいじん・硫黄酸化物・窒素酸化物)の発生量も少ない天然ガスを使用しています。
国および県の排出基準値より厳しい自主管理基準値を定めて、定期的にばい煙測定を実施しています。
2025年度において、自主管理基準値および排出基準値の超過はありませんでした。
製造装置や排水処理設備から発生する一部の排気には、有害物質が含まれています。これらを含んだ排気は、排ガス処理装置(スクラバー)を通して有害物質を除去した後、大気へ放出しています。
フロン類の適正な管理のため、以下のような対策を行っています。
フロン類の使用機器は、1台ずつ機器IDを付与し、そのIDを記載したラベルを機器に貼付して、点検記録や廃棄等を台帳管理しています。
3か月ごとの点検等により、フロン類の漏洩防止および漏洩の早期発見に努めています。点検等の結果、機器の不具合が発見された場合は早急に修理を行っています。
工場から出る排水は無害化処理を行ったうえで、徹底した管理のもと、河川または下水道へ放流しています。
放流する水質は、水質汚濁防止法・下水道法で規制されていますが、国および県の排水基準値より厳しい自主管理基準値を定め、定期的に水質測定を行い、排水の水質管理を徹底しています。
2025年度において、自主管理基準値および排水基準値の超過はありませんでした。
以下の対策を講じることで、薬液等の漏洩の未然防止を徹底するとともに、万が一漏洩が発生した場合でもその影響を最小限に抑える体制を整えています。
なお、2025年度の漏洩はありませんでした。
薬液・廃液の保管については、漏洩防止を徹底しています。保管するタンクは、材質や内容物により更新年数を定め、計画的に更新しています。また、タンクには防液堤を設置し、敷地内外への漏洩対策をしています。
防液堤やタンク・配管等の劣化や異常を早期に発見できるよう定期的に点検を実施し、漏洩の未然防止につなげています。
漏洩防止対策として、漏洩発生時の迅速な行動、適切な対応がとれるよう、薬液漏洩を想定した対応訓練を、各工場において想定箇所ごとに年1回実施し、適切な保護具の着用・対応方法を習得しています。
土壌汚染対策法や条例等に基づく項目について、法令等の基準値より厳しい自主管理基準値を定め、定期的に調査しています。
2025年度において、新光電気敷地内の土壌汚染や地下水汚染がないことを確認しました。
工場の施設管理を担当する部門の管理職による安全総点検を工場ごとに年2回(全14回)実施しています。安全総点検は、ユーティリティ設備、5S状況等を、点検対象工場以外に在籍している管理職が点検を行います。この点検で抽出された指摘事項を改善や横展開することにより、ユーティリティの安定供給および労働災害の撲滅を推進し、また、環境保全・法令の順守にもつなげています。
新光電気グループ(国内)では、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』に基づき、産業廃棄物処理業者へ適正に処理委託を行っています。また、年1回の委託先への現地確認等を通じて、廃棄物が適正に処理されていることを確認しています。2025年度に実施した委託先の確認において、不適正処理はありませんでした。
新光電気グループ(国内)におけるPCB廃棄物の処分はすべて終了しています。
なお、今後も適正管理を徹底するため、PCB含有の可能性がある製造年の機器を抽出し、計画的な更新および含有調査を実施しています。その結果、PCBの含有が確認された機器があった場合は、関係法令に基づき適正に処理します。