新規銅めっき技術

概要

電気配線材料として優れた特徴を持っている銅は、電解めっき法を用いることで他の成膜方法と比較して低コストで配線パターンを形成することができます。プリント基板向けのビアフィル電解銅めっき技術は、過去20年間にわたって改良が進められてきた結果、現在では多くの種類の添加剤が流通しており、目的に応じ選定して使用することができます。

しかし、新しい構造の半導体パッケージ用基板の開発においては、従来よりも深いブラインドビアホールや微細な配線への対応が必要であり、既存のめっき液の性能では十分ではない場合があります。

新光電気は、めっきプロセス全体を「化学」、「電気」、「機械」の各方面から最適化することにより、めっきの能力を最大限に引き出し、新製品に適用しています。

特徴

  • めっき液の「添加剤バランスの最適化」と逆電解パルスめっきなどの「電流波形の精密な制御」による新構造への対応例

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各めっき時間におけるビアフィルめっき断面.jpg

高アスペクト比のブラインドビアホールを充填可能な電解銅めっき技術

高アスペクト比の深いブラインドビアホールがある新しい構造の半導体パッケージ用基板向けの電解銅めっきでは、めっき液の基本組成や添加剤の濃度調整ではボイドなく充填することができませんでした。めっき途中のビアの断面を観察したところ、めっきの前半で底部付近にボイドが形成されていることがわかりました。これは、ビア底部の側壁における促進剤の働きが強すぎることを示しています。そこで、促進剤の効果を抑制する目的で逆電解パルスめっき技術を適用したところ、ボイドなく充填できるようになりました。
一般に、逆電解パルスめっきは条件設定や量産への適用が難しいことが課題であると言われていますが、新光電気では独自の技術によってこのような課題を解決しています。

用途

  • 部品内蔵などの新しいパッケージ構造への適用