
新光電気は、株式公開買付けおよびその後の一連の手続を経て、株式を非公開化し、JICキャピタル株式会社を中心に構成されるコンソーシアム(以下「JICCコンソーシアム」)を新たなパートナーとして、企業価値のさらなる向上および持続的成長をはかるため、新たな成長ステージに歩み出しました。
私たちを取り巻く環境は、地政学リスクの高まりや各国における通商政策の変更をはじめとして不確実性がより高まるとともに、気候変動に伴う自然災害の激甚化や海面上昇の進行など、先行きが見通せない厳しい状況が継続しています。一方で、世界中の人々の生活やビジネス等に大きな変化をもたらし、社会課題の解決にも寄与することが期待される多様なテクノロジーの進化や普及に伴い、そのテクノロジーを支える半導体はさらに市場を拡大させると同時にその用途を広げることが今後も見込まれています。こうした環境にあって、私たちは、中長期的な観点で当社の企業価値向上に資する取り組みを推進していくことが可能なJICCコンソーシアムのもと、市場の成長を当社グループの成長に最大限つなげるべく、今後、事業を推進してまいります。
私たち新光電気グループは、今後もこれまでと変わらず、社会から信頼され、必要とされる企業であり続けることを目指し、高性能半導体の機能を支える先進的な製品やテクノロジーを提供することにより人々の豊かなくらしに貢献するとともに、多様なサステナビリティ課題への取り組みを通じて企業としての社会的責任を果たし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
新光電気は、物資が不足していた戦後間もない時期において、家庭用電球の再生から事業を開始しました。言うならば、限られた資源のリサイクルビジネスが新光電気グループの原点になります。その後、電球の再生事業で培った技術を起点に、蓄積した技術を応用・発展させることにより、半導体業界へと進出し、今日まで半導体の機能を支える製品の開発・製造を中心とした事業をグローバルに展開してまいりました。私たちは、資源のリサイクルから始まった創業の精神を受け継ぎ、当社グループの企業理念や指針、価値観等をまとめたSHINKO Wayにおいて、環境保全を経営の最重要事項の一つと位置付け、これまで環境負荷低減に取り組んでまいりました。さらに、ものづくりを行う企業の責務として、環境課題解決に向けた活動の強化をはかるため、当社グループの目指す姿を明確化した「環境ビジョン2050」に沿い、気候変動、資源循環、自然共生の3分野について、将来のあるべき姿に向けてさまざまな活動を展開しています。また、事業活動における環境負荷低減に加え、地域の自治体と協力した森林整備活動にも注力するなど、豊かな自然環境が次世代へと引き継がれるよう活動の強化をはかっています。
今後も、地球環境と企業活動の調和を基本理念として、国内および海外の生産拠点において環境にやさしいものづくりに取り組むとともに、地域の環境保全にも貢献できるよう活動を推進してまいります。
新光電気は、戦時中の首都圏からの疎開工場をルーツにしており、終戦に伴い工場は閉鎖される宿命にありましたが、当社創業者が労働者の雇用・生活を守るために合資会社を立ち上げ、この会社を改組・改称することにより当社が誕生しました。新光電気グループは、こうした創業者の思いを今日まで受け継ぎ、「人への温かさ」を念頭におき事業運営を行ってまいりました。SHINKO Wayにおいても、社員を当社グループ最大の財産と位置づけ、社員の多様性を尊重し、成長を支援することを企業指針としています。
当社グループが、今後、新たな資本・経営体制のもと、半導体のさらなる高機能化や市場・顧客によるご要望への対応を通じ、企業としての持続的成長をはかるべく事業を展開していくにあたり、その成長の基盤となるものは人材です。難度が増す課題を克服し、市場・顧客のご期待に応えるためには、さまざまな個性や考え方、バックグラウンド等を持った社員の能力を結集し、社内に新たなイノベーションを起こすことがその原動力になると考えています。多様な人材が能力を発揮できる職場環境づくりや制度の整備、教育体系の充実をはじめ、「人への温かさ」を念頭に、社員一人ひとりが誇りとやりがいを持って働くことができる企業風土の醸成に引き続き取り組んでまいります。
半導体市場の構造変化をはじめ、新光電気グループを取り巻く事業環境が急速に変化する状況にあって、当社グループも、新たな資本および経営体制のもと、ガバナンスや経営管理等の強化をはかるべく企業価値向上策に取り組んでいます。市場の変化や資本構成変更を当社グループがさらに飛躍するチャンスととらえ、全社で変革に果敢にチャレンジし、目標を完遂することにより、企業基盤の強化を進めています。
こうした取り組みを通じて強靭な企業体質を構築することにより、「限りなき発展」に向けて、持続的成長と企業価値の向上を目指してまいります。
皆様におかれましては、ここに紹介する新光電気グループの取り組みにご理解をいただき、さらなるご支援とご鞭撻をいただければ幸いに存じます。